tichiki’s blog

共働き夫婦のあれこれと思っていたら子育てと病気がやってきた日々の記録

あした、さよなら

妊娠には至らず、薬の服用をやめた5日目の明日には生理がきます。
まだお腹のなかにはとぴちゃんがいるみたい。ときどきぐっと痛むから、その度にさよならを言える。

もう、わたしはお母さんにはなれない。お母さんになれば、全てが解決すると思っていた。ダメな自分でも、母親として苦労すれば人並みの大人になれると思っていた。唯一の親孝行の方法だと思っていた。仕事だって子供のためなら頑張れると思っていた。幸せになれると思っていた。
全てが、他力本願だった。
自分で努力しなきゃ、ダメなんだ。
そんな当たり前のことを、子供に期待していただけだった。だから神様は私のところには寄越してくれなかったのかな。

親孝行できなくてごめんなさい。

無力で、謝ることしかできなかった。
謝ることなんかないよ。神様の言う通りでいいんだよ。
母が言う。

いつか、自分を認めることができるんだろうか。良い子供にも、母親にもなれない私が。

幸せいっぱいに見えた有名人の家族が、病と闘っていることがわかった。
病気じゃないわたし。夫も元気、両親も健在。これ以上の幸せがあろうか。
でも、病気のあの人よりわたしがマシ、なんていうことではないのだ。
わたしは、わたし。そう思えるようにならなきゃ。

でも、今夜だけは赤ちゃんになれなかったこの子と一緒に眠る、悲しみを否定しなくても良いか。悲しいよ。ひとりでも会いたかった。お母さんになりたかった。お父さんになった夫の姿を見たかった。抱きしめたかった。3人で抱き合って眠りたかった。笑いたかった。おじいちゃん、おばあちゃんの笑顔が見たかった。
ぜんぶ、できない。

健康なんだから、これから楽しいこといっぱいあるよ。子供を育てる苦労をしなくていいんだよ。
分かってはいるけど、いまは、そんな理屈じゃなく、子供を持てないかなしさ、くやしさを自分の中に認めないと、いつか、折れる。
いまだけ許してください。頑張れないけど、許してください。

最後の夜だね。産んであげられなくてごめんね。ママと、パパを、守ってね。あなたは間違いなく、私たちの子供として一瞬を記したのですよ。
いつか、9人家族になるね。賑やかになるね。