お母さん、というにはまだまだだけど
さて、本当に残しておきたい気持ちを書こう。
こんなに可愛い生き物が腕の中で眠っているなんて、どんなに高価な宝石でもかなわない。毎日夢のようで、儚すぎる。現実であることに早く納得して前に進まなければいけない。
生まれたばかりのあなたは可愛く泣いていて、ただ「来たの。声、可愛いね。顔はまだブサイクね」と正直に言うことしかできなかった。ありがとうとか、愛してるとか、言いたい言葉を選ぶことができなかった。
来たの。私のところに、来てくれたの。それだけ。
あの日指をぎゅっと握ってくれた小さな手も、どんどん大きくなってきた。あふあふいっていた泣き声も大きくなり、オムツを替えるときに抵抗する足の力も強くなってきた。
私の1ヶ月とは違うペースでこの子の1ヶ月が過ぎたようだ。
そういえば入院中、病院のベビーキャリアに眠っている小さなあなたの周りに、生まれてこなかったお兄ちゃん、お姉ちゃんがぴよぴよと嬉しそうにまとわりつくイメージが浮かんだ。「寝てるね」「可愛いね」「よかったね」って囁き合っている。あなたを守る天使。
そして、あなたが私たちの天使。
みんなが愛しているよ。ずっと変わらずに。
何も心配はいらない。あなたはあなたの人生を進めばいい。