tichiki’s blog

共働き夫婦のあれこれと思っていたら子育てと病気がやってきた日々の記録

お迎えに行ってきた

成長の遅いとぴこちゃんは、溶かして3時間経ってもまだハッチングしておらず、あぁ、また着床は厳しいのね、と落胆させられた。
卒業したはずのスマホ検索をまたやってしまい、ぐるぐると人のサイトを巡った挙句、結論は「なるようにしかならん」ということ。
胚盤胞として生存していただけで、移植にこぎつけただけで、まずは最初のステップを乗り越えたラッキーな子なのだから。
結局待ち時間はぐースカ寝て、寝ぼけ目で手術室へ。担当医はこっそりお気に入りの先生だったのでちょっとうれしい。この先生とは治療のことを抜きにして一度酒を呑んでみたいくらい。む、婦人科医と酒を呑むのはいかがなまのか。
移植直前の卵、最後の姿がモニターに映し出された。あら、二枚重ねのパンケーキみたいな形に孵化してる。思いがけずこの世に這い出た姿がまた見られて、思わず涙が出そうになった。涙を堪えると、腹筋に力が入る。先生ごめん。
今回は「はい、ここにチューブが入りました。この辺りに移植しますよ。光ってるところですよ〜」なんていう説明もなく、モニターもこっちに向けて貰えず、あっさり施術おわり。3度目だから?
人によっちゃこのクールさに反発を覚えるのかもしれないけど私は嫌いじゃない。
人より呑気なとぴこはこうしてママのお腹に帰ってきましたとさ。15時45分。
もしもこのまま幸運が続いたとしたら、生まれてきてよかった、と思えるような人生を送ってもらおう。たくさん花の名前を教えよう。クラシックのコンサートにも連れて行こう。モルディブだって連れて行こう。長崎もいいね。韓国も行く?
野菜の美味しい食べ方とか、ご飯の炊き方とか、ありゃ、それはまずわたしが勉強しなきゃ。
いつも思うのだけれど、まだ細胞レベルのあなたがこんなに愛しいのだから、わたしの母はどれだけ私を愛していることか。
孫の顔を見せたい、と思っているけれど、お母さんが見たいのはやっぱり自分の子供たちの顔なんじゃなかろか。私たちの、元気で幸せな顔なんじゃなかろか。
母のために、父のために、私は幸せでいる義務がある。